税理士通信29年4月号の発行

桜のつぼみもふっくらとなりつつ、春色のにわかに深まりを感じる頃となってまいりました。新年度開始まで残りわずかとなりましたが、宮川公認会計士事務所の税理士顧問先向けの情報媒体紙である「税理士通信」の平成29年4月号を発行します。

税理士通信29年4月号

今月の会計、税務トピック

4月10日

  • 3月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

4月15日

  • 給与支払報告に係る給与所得者異動届出(各市町村長へ)

5月1日

  • 公共法人等の道府県民税及び市町村民税均等割の申告
  • 2月決算法人の確定申告
  • 2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
  • 法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
  • 8月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
  • 消費税の年税額が400万円超の5月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告消費税の年税額が
  • 4,800万円超の 1月、 2月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(12月決算法人は2ヶ月分)

  • 軽自動車税の納付
  • 固定資産税・都市計画税の第1期分の納付
  • 固定資産課税台帳の縦覧期間(4月1日から20日又は最初の固定資産税の納期限のいずれか遅い日以後の日までの期間)
  • 固定資産課税台帳への登録価格の審査の申出の期間(市町村が固定資産の価格を登録したことを公示した日から納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日までの期間等)

 

スイッチOTC薬控除の創設(税理士業務)

花粉症の時期になり、薬局で花粉症の薬を購入される方も多いのではないでしょうか?そのような時に覚えておきたいのが今月のトピックである「スイッチOTC薬」です。

また、最近のCMで「セルフメディケーション」という言葉をよく耳にしますが、実は本年1月から、特定の医薬品購入(スイッチOTC薬の購入)に対する新しい税制「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が始まっています。

セルフメディケーションとは、世界保健機関(WHO)において、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることと定義されています。

セルフメディケーション税制の概要

このセルフメディケーション制度は、簡単に言うと、きちんと健康診断などを受けている人が、一部の市販薬を購入した際に税制上の所得控除を受けられるようにした制度なのです。

具体的に言うと、

「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人」として、定期健康診断などを受けている人が、市販薬(要指導医薬品および一般用医薬品)のうち、医療用から転用された特定成分を含む医薬品を年間1万2000円超購入すれば、1万2000円を超えた部分の金額(上限金額:8万8000円)につき所得控除

を受けられます。

※ 詳細については、厚生労働省公式サイト「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について」をご覧ください。

※ OTC医薬品(一般用医薬品):薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品

 

セルフ

(出典:厚生労働省「セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設 」より抜粋)

 

セルフメディケーション税制の注意点

セルフメディケーション税制の注意点としては、下記の点などが挙げられます。

  1. 健康の維持増進及び疾病の予防への一定の取組とは、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診を言います。会社の検診も含まれます。
  2. 対象となる医薬品は、医療用から転用された医薬品:スイッチOTC医薬品と言われるものです。具体的定義がありますが、「共通認識マーク」を目印にしましょう。
    レシート上では対象商品の横に特定の記号、印が記載されたり、記号以外の方法で示されたりする場合もありますが、対象商品を明確に区分できるようになっています。
  3. 本特例の適用を受ける場合には、現行の医療費控除を受けることができなくなります。どちらかを選ぶことになります。
  4. この制度は年末調整では適用されません。ご自身で確定申告するか、当税理士事務所にご依頼ください。
  5. レシート、領収書は保存しましょう。

 

Q&Aが公開されています。

(平成29年6月7日更新)

厚生労働省では、同税制について一般の納税者をはじめ、製薬会社や小売店などから寄せられた質問などについてウェブサイト上で、「セルフメディケーション税制Q&A」と題して同税制についての質問と回答と合わせて掲載しております。

例えば、Q17 通信販売等で対象医薬品を購入した場合、自宅のプリンタで出力した領収書等を証明書類として確定申告で使えるのか、といった質問もあります。

近年、医薬品の通信販売もたいへん活発になっており、年々増加傾向にあります。しかし、このネットショッピングによる医薬品の購入では、宅配便などで配送される医薬品とともに注文書や納品書は入っているものの、領収書などの証明書類が入っていない場合も多くみられております。

この場合、ネットショッピングのやり取りの際に出る画像などをプリントアウトして、証明書類として使っても良いのはないかといった声も上がりそうですが、同サイト上では、「自宅のプリンタ等で出力した領収書等は証明書類の原本として認められないため、確定申告に用いることはできない」と回答しておりますので、留意が必要です。

 

以上が、税理士通信29年4月号でしたが、いかがでしたでしょうか。セルフメディケーション税制は、今年から始まった税制ですので、慣れないうちは注意が必要ですね。レシートなどを捨てないようにお願いします。

福岡市では「福岡城さくら祭り」がはじまりましたが、花冷えの時節柄、皆様どうぞご自愛ください。