経営の効率化を進めるために

経理業務の合理化・効率化とは

経理合理化、効率化の流れ、必要性

経理代行とサービス経理業務とは、日々の取引に関する記帳、現金や預金の入出金に係る出納業務、決算業務・申告業務等、諸々の作業から構成されています。

業種や規模を問わずどんな会社でも、お金の出入があり、決算書を作成する必要がある限り、経理業務は必ず行わなければならない業務の一つと言えるのではないでしょうか。

ですが、経理や財務のご経験や会計知識をお持ちでない方から言わせると、なぜ、記帳にそこまで労力やコストを使って、毎年決算書を作るのに毎回膨大な時間を費やしているのか不思議でしかたがないかもしれません。

(これらの経理業務を税理士さんに丸投げされている方もいらっしゃいます。)

客観的に見てもその言葉はある意味正しいかもしれません。
そもそも経理業務のほとんどが一定の事務ルールに従って処理するルーチンワークで構成されています。

したがって、この作業を合理化、効率化できれば大幅に手間とコストが削減できる可能性があります。

特に会社設立を予定されている方、会社設立されたばかりの方は、事業開始後、どのように経理体制を構築していくか注意を払う必要があると言えるでしょう。

合理化・効率化の2つの方法

経理業務を合理化・効率化するための方策としていろいろな手段が考えられますが、ここでは、下記の2つの方法に絞って考えてみたいと思います。
① 経理業務の管理方法の見直し
② ITの活用による経理業務のシステム化 (→当税理士事務所のIT活用のサービス詳細はこちら
経理業務を合理化、効率化するための最もパフォーマンスの高い方法の1つとしては、この2つの方法を同時並行して推進することです。これにより、今までコストばかりか目立っていた経理業務をスリム化することができます。また、スピーディーに経理処理を行うことで、企業経営のスピード化に貢献することも可能となります。

管理方法の見直し

小口現金管理の廃止

初歩的な簿記の教科書には、「小口現金取引」という学習項目が必ずといってよいほど掲載されているものです。これは、会社内で旅費の仮払いや消耗品等の少額物品の購入に際して現金を支給する際における現金取引のことをさします。

支払に便利だからといって小口現金を利用している会社も現在でも多いかと思いますが、実は、この小口現金を管理するだけでも多大なコスト(手間・時間)がかかっているのです。小口現金の出し入れにかかる手間、時間をすべて集計すると結構なコストがかかっていることがわかります。
つまり、現金の盗難に備えて金庫を購入し、鍵をかけて管理したり、小口現金の監視が必要だっとあり、また確認のため小口現金を数えたりといった事務が発生するということです。
したがって、この小口現金を即廃止して、次のような管理方法へ見直しすることをご提案します。
・ 旅費等の仮払清算手続きを廃止し、すべて立替へ。→ 立替分を振込精算に見直し
・ 業者からの集金はすべて振込やクレジットカード払いに見直しこれで小口現金自体を会社からなくし、そこにかかっていたコスト(労力)を省くことができます。

勘定科目の集約化

「この費用をどの勘定科目で処理すればよいか・・・」。どの会社でも一度は悩まれる勘定科目の分類の話です。
決算書の表示には基本的なルールがありますが、ルールを守っていれば、会社側の都合の良いように経費科目を決めてしまって構いません。例えば、科目名を事務用品費にするか、消耗品費にするかで悩むようであれば、一つに集約しても構いません。

ポイントは、科目名は必要最小限に限定して、追加しないようにしていくことが重要です。これで、勘定科目で悩んだり、分散していたことでわかりにくい管理から脱却できます。

IT活用による経理業務のシステム化

会計ソフトの導入

経理業務は、冒頭でも申し上げたとおり、日々の取引に係る記帳など、ルーティン化された業務が大部分を占めます。つまり人間の判断が入らず、単純に入力・計算するといった種類の業務であります。コンピュータの特性としては、定型化された処理を大量に行える利点がありますので、このコンピュータの力を利用するのに適しているものであります。いままでやっていたルーティン化された手作業の仕事をできる限りシステムに置き換えていくことで、無駄な労力や人件費を抑えることができます。

会計ソフト機能のフル活用

会計ソフトの中には、仕訳登録機能等のツールを有しているものがあります。この仕訳登録機能を使えば、貴社でよく発生する仕訳に対して、何度も入力することなく、クリック一つで自動的に仕訳が切れます。これにより、仕訳入力作業を大幅に時間短縮することができます。さらに、この仕訳登録機能を使う際にも、年一回定期的に発生する仕訳、毎月発生する仕訳をスケジュール化して登録する等のひと工夫でさらなる効率化につなげられます。また、会計ソフトの中でもより高度な機能を有するパッケージソフトも登場しています。最近では、インターネット上で会計処理ができてしまうクラウド会計も登場していますので要注目です。

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