税理士事務所スタッフのコラム

税理士事務所のお仕事について

税理士事務所の仕事内容(福岡の事務所) 「事務仕事とは言え、コピーやお茶出しだけでなく、何か学びのある職場で働いてみたい!」そんな思いで税理士事務所の事務職の求人に応募したところ、事務職は未経験であるのも関わらず、運よく採用して頂きました。

しかしその仕事内容は、自分の予想を遥かに上回るほどに、勉強と刺激と、いい意味でのプレッシャーに満ちた現場でした。今回はその業務の中から「記帳代行」について書いてみます。

税理士事務所では、通常の事務作業では使用しない、一般の方には馴染みのない用語を使うことがあります。そのため、税理士事務所で使用する様々な専門用語を初めて聞いて躊躇してしまう方も多いと思われます。

今回の記事では、福岡市で税理士事務所での事務員を目指す方に、入所してから役立ちそうな専門用語の簡単な説明も記載します。

税理士事務所で聞く「証憑」って何?

「では最初に、この『証憑』を日付順に並べて、白い紙に張り付けることからお願いします」。

出勤初日に、所長から頼まれた最初の業務がこれでした。

「ショウヒョウ…?」耳慣れない言葉ですよね。「証憑」とは、レシートや領収書、発注書、納品書など、クライアントである会社が取引に使ったお金の支払・受取関係を証明する書類です。商品を仕入れた時の伝票や出張の交通費の領収書、クレジットカードの利用明細、銀行の通帳など、ありとあらゆるものが、証憑です。

これらを日付順に並べ、ばらばらにならないように、コピー用紙などに張り付けていき、PCの会計ソフトに、その取引内容を1つ1つ入力していきます。これが、税理士事務所の事務員の主な仕事の1つです。

記帳代行とはどのような作業か?

取引内容は、昔は1つ1つ帳簿に手書きで行っていたようですが、現在はPCを使って、会計ソフトに入力していくのが一般的です。これを「記帳(きちょう)」と言い、本来、事業所の経営者や経理担当者が行う記帳を、税理士事務所が代わって行うことを「記帳代行」と言います。

会計ソフトには、代表的なものに、PCにインストールして使う「弥生会計」などがありますが、最近では、 「freee(フリー)」や「MFクラウド会計」など、一部無料で使えるクラウド会計ソフトも人気です。

こうした会計ソフトでは、取引を日付順にひたすら入力していく「仕訳日記帳」や銀行の取引を入力する「預金出納帳」など、入力先が分かれています。

仕訳(しわけ)とは何でしょうか?

さて、取引内容の入力には「仕訳」が必要です。「2位じゃダメなんですか!?」の「事業仕分け」ではありません。「仕訳」とは、クライアントである会社のそれぞれの取引が、簿記の上で、どんな項目に当てはまるかを区別していくことです。

例えば、福岡天神から博多までのタクシー代が1,000円かかり、その支払いを、予め会社から、出張するスタッフに手渡されていたお金で支払ったとします。その場合の入力は、

記帳する帳簿(仕訳帳)の左側である「借方(かりかた)」に
「交通費 1,000円」、
記帳する帳簿(仕訳帳)の右側である「貸方(かしかた)」に
「現金 1,000円」と入力します。

これで、「『交通費』という『費用』が1,000円かかり、かつ、その1,000円は予め会社からスタッフに手渡されていたお金を意味する『現金』で支払われた」ことが、仕訳入力されたことになります。

1つの取引なのに、同じ金額を左右に2度入力するなんて、ややこしいですよね。でも、この左右に同じ金額を入力しながら、「そのお金が何に使われたものなのか」、そして「そのお金の出どころはどこなのか」を同時に記録していくのが「複式簿記」であり、会社の決算報告には必要なのです。

大企業の場合は、経理専門の社員がいたりしますが、中小企業の場合は、経理の為のスタッフを雇っていないケースもあります。そうした事業所からの依頼で、この「複式簿記による記帳の代行をする」というのが、税理士事務所の主な仕事の1つであり、この記帳代行、つまりPCの会計ソフトにひたすら取引内容を入力していく作業は、事務員に任されることの多い仕事の1つです。

初心者にとって、「仕訳」はチンプンカンプン?

この「仕訳」は簿記の知識がある人にとっては、実にたやすい作業なのでしょうが、筆者のように、簿記の知識も資格もないまま運よく採用された人にとっては、最初は頭が混乱してしまいます。

例えば上述の「出張のタクシー代が、交通費になる」というのは、知識がなくとも何となく理解できますよね。

ところが会社の取引の内容は、実に様々で複雑です。例えば、給与の支給の場合には「(借方)給与 120000/(貸方)未払金 120000」といった仕訳が登場したりします。
そして実際に25日になり、そのお給料が銀行口座から支払われた日には「(借方)未払金120000/(貸方)普通預金 120000」と入力することもあるのです。

この「未払金」など、日常生活では目にすることのない簿記の専門用語を「勘定科目(かんじょうかもく)」と言いますが、この勘定科目を1つ1つ覚えるのがまず一苦労。そして、自分に任されたクライアントの証憑を見ながら、その取引内容をどの勘定科目で入力していくのかを考えながら正確に入力していかなくてはならいのです。

筆者がこの入力作業を始めたばかりの頃は、簿記の入門書を片手に、勘定科目と格闘する毎日で、いずれ頭の中がショートするのではないかと危惧したほどでした。
(税理士事務所勤務希望者は税理士試験の簿記論を勉強することが望まれます。)

何故こんな面倒な帳簿付けが必要なのか?家計簿方式ではだめなのか?

小さな事業所の場合、本来業務だけでも大変なのに、経営者自身がこうした帳簿付けをするとなると、大きな負担になりますよね。

個人事業の税務申告には大きく分けて、まるで家計簿のような簡易的な方式の「白色申告」と、前述のように複式簿記方式で申告する「青色申告」があり、例えば小さな事業所の中には、より簡単な白色申告をしている方も沢山います。

「よく分からないので、簡単な白色申告でいい!」とお思いになるでしょうが、やや複雑な「青色申告」をした事業所には、最大で65万円の所得控除が受けられる、というメリットがあります。

そのため、この福岡でも税理士事務所や会計事務所に対価を払って依頼してでも、青色申告を行う事業所が多いのです。

免責
本記事の内容については、一般的な税理士事務所の仕事内容に基づき当事務所スタッフの個人所感としての文章としております。税理士事務所で使う専門用語を一般の方や税理士事務所に勤務した経験のない方でにも理解しやすいように、平易に記載した箇所もあります。上記の執筆記事の内容の利用には上記前提となりますのでご注意ください。

 

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