専門情報

生産性設備投資促進税制の要件(A類型)

生産性向上のための税制措置【A類型の具体的な要件】
A類型の申請については、工業会等に、最新モデルであり年平均1%以上の生産性向上といった要件を満たしていることを
確認してもらうことが求められます。

設備ユーザー(設備投資・購入される方)は、まず設備メーカーに対して証明書の発行依頼を行います。
設備メーカーは、工業会とのいわば橋渡し役となりますが、証明団体として指定されている工業会に対して、設備の確認、証明書発行依頼を行い、工業会側で確認を行います。

その後、所定の要件を満たしていれば、工業会等に証明書を発行していだくことになります。そして、これにより設備ユーザは税務申告の際に証明書を添付することが可能になります。

 

A類型の詳細な要件

A類型の2つの要件のうち、最新モデルで生産性1%以上向上しているという縛りがあります。
この最新モデルの定義について
「イ 一定期間内に販売が開始されたものであり、もっとも新しいモデルである」というものがあります。

 

つまり、例えば機械装置の場合10年以内といった期間が指定されており、その期間で販売されたものでもっとも新しいモデルであるものという条件があります。
さらに、「ロ 販売開始年度が取得をする年度及び前年度であるモデルである」という要件もあります。
つまり、モデルチェンジが毎年あるような回転の速いものについて、販売開始が前年度であれば、最新モデルでなくても良いということになります。

 

さらに旧モデルと比較して年平均1%以上の生産性向上という要件について生産性指標については、単位当たりの生産量、精度、エネルギー効率などが考えられます。

なお、比較対象は、同一メーカーが販売する新モデルと旧モデルとの、他社製品との比較ではありません。

 

B類型の要件

B類型の具体的な要件

B類型では、最新モデルであるかどうかによらず、投資計画における投資利益率が15%(中小企業者の場合5%)という縛りがあります。

 

これについて、経済産業局が最終的に確認して証明書を発行することになりますが、経済産業局に確認依頼をする前に、公認会計士・税理士に投資計画案の事前確認に依頼を行い、事前確認書を発行してもらう必要があるのが特徴です。

 

ここで言う公認会計士・税理士とは、会計監査人や顧問契約をしていなくてはならないといった義務はありません。(当会計事務所でも事前確認業務を実施しています。

公認会計士・税理士から事前確認をもらった後には、経済産業局に対して、確認書発行申請を行い、確認書を発行してもらいます。経済産業局には、設備取得前に確認書をもらう必要がありますので十分に時間的余裕をもって準備ください。なお、取得後も定期的に経済産業局に状況報告する必要があります。

投資利益率の考え方

B類型の場合、投資利益率が指標となります。投資利益率とは、ROI(Return on Investment)とも呼ばれ、投資した資本に対して得られる利益の割合を示し、設備の収益性を示します。

算式について、分子に、営業利益に減価償却費を加算したものの増加額。そして
分母には、設備の取得等をする年度における取得する設備の取得価額の合計額がきます。

 

税制に関連するリンク

 

免責
本記事の内容は投稿時点での生産性向上設備投資促進税制及び関係する各種法令に基づき執筆しています。さらに、難しい制度を容易に理解できるように、文章を平易、簡潔にしている部分があります。実務実施にあたっては、宮川公認会計士・税理士事務所との協議により実務実施した場合を除き、本記事の利用によりいかなる損害が発生しても、宮川公認会計士・税理士事務所は一切の責任を負いません。