税理士による経営計画の説明

経営計画の策定方法の解説

経営計画のひな形

経営計画の作成にあたっては、様々なサイトから利用できるひな形をダウンロードすること ができます。

日本政策金融公庫への融資 たとえば、日本政策金融公庫のダウンロードサイトや中小企業基盤整備機構 のダウンロードサイト(J-Net21)から事業計画、経営計画等のひな形を簡単に入手することが可能です。
また、顧問税理士公認会計士にも利用できるひな形がないか確認しましょう。中期経営計画が完成したらつづいて、中期経営計画をより具体化した1年毎の年度の経営計画を作成します。

財務諸表の基本

経営計画の数字への落とし込みにういて、まず基本となるのが、決算の時につくるおなじみの財務諸表 (貸借対照表と損益計算書がべースになります。

ここで貸借対照表とは、会社が保有する資産と、会社が負担している負債、そしてその差額としての純資産 (貸本)が記載されるものであり財政状態を表します。貸借対照表の左側に資産、右側に負債、出資した資本と利益が記載されます。

さらに、資産、負債ともに、1年を基準 に流動と固定に分かれます。ここまでが一般的な説明ですが、実は、貸借対照表の右側は、会社が資金調達した源泉となっていて、左側がその調達した資金をどのように運用したかの運用先となっています。この調達貸金が事業活動の中で運用貸金としてぐるぐると循環することになります。そして決算日という一瞬を写真のように切り取って描写し映し出したものが貸借対照表となるのです。

一方、損益計算書とは、売上高の他、売上総利益 (粗利)、営業利益、経常利益などが表示 され、会社の経営成績を示します。通常、決算の時に作成する損益計算書は、収益と費用 を会社の主要な活動別に区分しています。全体の収益と費用との差額である利益だけでな く、区分ごとの利益も表示されており、対外的な説明に適しておりますし、法的にもこの フォームで作るように義務付けられています。

ただ、経営計画を作るといった経営の内部管理面からみると少し使いづらい面もあります。 そのため、費用の分類のしかたをアレンジして、経営に役立つ損益計算書に作りかえる必 要があります。そしてアレンジしたフォームを変動損益計算書と呼びます。通常の損益計 算書と変動損益計算書では、売上高と経常利益は変わりません。変わるのほコストの分類 に関する部公です。変動損益計算書では、費用を変動費と固定費に分類します。

変動費

敗売量に比例して増える費用であり、材料費、部品費など(従量制)

固定費

販売量には無関係で、常に一定額かかる費用。設備、機械、事務所家賃、正社員の人件費など

売上から変動費を差し引いたものを限界利益と呼び、限界利益から固定費を引くと経常利益になります。
この管理会計上で計算される経常利益は、当然に通常の損益計算書と一致します。そして売上高か ら、売上に比例して増える変動費を差し引くと、限界利益と呼びます。

たとえば簡単な例を示すと、オリジナルのパソコンを販売する会社を考えてみると、売上 高は、パソコンの版元金額、つまり、価格に販売数をかけたものです。変動費は、販売す るパソコンに必要な部品を仕入れてきたコストであり、販売数に応じて増減します。

そして、このパソコン販売代金から仕入れた部品等の仕入れにかかる変動費を引いた限界 利益になります。この限界利益とは、その会社が独自に行ったサービスの対価、つまり会 社が顧客に提供した付加価値になります。この限界利益から人件費や家賃など固定費を差 し引いて経常利益となります。ここで、限界利益が付加価値であると説明しましたが、こ の付加価値というの性経営計画においても非常に重要な指標になります。

営業キャッシュフローとは。

前編で説明したとおり、損益計算書において利益がでているといって安心してはいけません。利 益がでている会社は、キャッシュが豊富とほ限らない。つまり、利益が出ている会社でも 倒産してしまう、いわゆる黒字倒産ということもよくあります。

利益は、キャッシュ (現金・預金)以外の他の形としても会社に残っていきます。つまり、利益は、現金や預金に限らず、いわゆる資産という形で溜まっていくのです。または負債の減少に使われることでも利益が形を変えていきます。したがって、利 益のみに着目するのではなく、営業活動でいくら現金の増加があったかを示す営業キャッシュフローを把握することも重要です。
この営業キヤソシュフローが借入金返済できる金額であり、資金の計画、設備投資の計画 の時にも利用します。
この営業キャッシュフローを検討するために資金繰り表を作成してみることも一案です。貸金計画、設備投資計画には、税理士や公認会計士にも相談してみることも一案です。 税理士

税理士が解説する経営計画の策定

各種計画について

そして具体的な計画については、次のように細分化して考えるとよいでしょう。

販売計画
一番計画するのが難しくて重要なものです。販売数量の過去のトレンド&市場の動向、実 行した計画の影響などを勘案して作成することが望まれます。たとえば、月別、エリア別、店舗別、販売員別、顧客別などの切り口で売上を細分化して分析してもよいでしょう。

生産計画
販売計画に基づき、生産数量、製造原価を計画します。

設備計画
生産計画とあわせて、設備の刷新、設備の更新などその際に上記で説明した営業キヤソシ
ュフローを考慮して借入金を算出することも試してみましょう

新製品開発計画

人材採用・教育計画
人材教育については、幹部、管理職、一般職等、階層別に組み立てるのも一案です。

労働条件・改善計画
労働分配率を考慮

以上の計画をもとにつづいて、部門を設置している会社では部門計画をつくります。この 時、各部門で従業員とともに大いに議論して目標をできるだけ納得できるものに落とし込 むことが重要です。すくなります。特に1年間の具体的な目標が明らかになるの で、従業員のモチベーションのアップにも寄与します。

PDCAによる実行管理

経営計画は作っておわりでほありません。すぐに効果が出ないからといってあきらめるの ではなく、愚直に実践することも重要です。PDCAサイクルをぐるぐると回して常に経営計画をブラツシュアップしていくことが必要です。経営計画のPDCA では、特にCheck に留意することが重要です。また、定期的な実績検討会の開催により、反省点・・課題を経営にフィードバツクさせることも試してみる価値はあります。

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免責
本記事の内容は投稿時点での経営理論、経営学の一般理論などに基づき執筆していますので、読み手がわかりやすいように説明をしている箇所が多々ありますのでご留意ください。本情報の利用によっていかなる損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。

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