LLP(有限責任事業組合)の基礎知識

LLPとは

LLPの基礎知識 LLPとは、日本語で言うと「有限責任事業組合」という 事業体を指します。 LLPの特徴は、簡単に言うと下記の3点となります。

 

① 構成員全員が有限責任
② 内部自治の徹底
③ 構成員課税の適用

 

海外の類似の事業体である Limited Liability Partnership(リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ) と同様、日本においても、アルファベット3文字でLLPと称されています。

 

LLPの構成員の有限責任、内部自治の徹底、構成員課税という特徴により、大企業間、大企業と中小企業間、産学連携、専門家人材同士など人的資源集約型の事業など、いわば共同事業で利用されることが想定されます。

例えば、ソフトウェアの専門人材集団、映画製作、メーカーの連携、大学発ベンチャー、農家と食品加工流津業との連携が想定されています。聞きなれない言葉かもしれませんが、もちろん福岡でもすでにこのLLPで事業を展開されている方もいらっしゃいます。

 

LLPは、共同で営利目的で事業を営むための組合契約であることから、営利事業でないものなど、LLPの対象事業にできない制約が生じる可能性もあります。

また、税理士、公認会計士、弁護士などの特定の士業については、個別法の無限責任規定があるため、LLPとして事業を行うことはできません。

例えば、複数の税理士が税理士法に基づき法人を設立する場合は、税理士法人を設立することになります。

 

労務関連の補足情報として、LLPで従業員を雇用する場合には、LLPに法人格が認められないことから、LLP自体との雇用契約の締結にはならず、組合員との間での締結になることになります。

 

LLPの会計と税務

LLP設立時の税理士と会計士LLPでは、LLP契約書において必ず事業年度を定めなければなりません。そして、損益帰属時期は、LLPの事業年度の終了日の属する組合員の事業年度(年分)となります。

 

また、LLPの設立時に貸借対照表(いわゆるB/S)を作成することが求められます。

 

そして、毎事業年度ごとに、B/S、P/L、その附属明細書の作成が必要です。

これらの財務諸表については、組合の主たる事務所に備え置くことが求められるとともに、債権者 からの求めに応じて開示することとなっています。(ただし公告義務はありません。)

 

また、組合員別内訳などの会計情報も必要となります。

 

つづいて、LLPの税務です。LLP組合自体には、納税義務はありません。LLPの事業に係る税務申告は、各組合員が事業年度ごとにそれぞれで行う必要 があります。

 

これは、上述の構成員課税であることから言えます。

ただし、法定調書として、有限責任事業組合に係る組合員所得に関する計算書とその合計表を、LLPの計算期間の終了の日の属する年の翌年1月31日までに提出することが求められます。

 

法人顧問の税理士相談なら

福岡で法人の税務顧問をご検討されていましたら、宮川公認会計士事務所までお気軽にお問い合わせください。

※ LLP(有限責任事業組合)単体の記帳・決算、法定調書提出及びLLP単体のみの相談対応についてはお受けしていません。

 

 

 

LLPと税理士

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その他の参考情報