平成26年度税制改正

個人所得税の改正

給与所得控除に関する税制動向 個人所得税において、給与所得控除について平成24年に続き26年度税制でも見直しが実施されます。

給与所得控除とは、給与所得から差引きすることができる控除額ですが、高い給与収入について上限額、適用される給与収入額が改正されます。

具体的には、平成28年分の所得税から、上限額が適用される給与収入が1500万円から1200万円に引き下げられ、給与所得の上限額も245万円から230万円に引き下げられます。さらに平成29年分以降では上限額が適用される給与収入が1000万円に、上限額が220万円となります。

平成26年1月から、すでに小額投資非課税制度(NISA)が始まっていますが、平成27年1月から口座開設が簡便化されてより制度が使いやすくなります。

そもそもNISA口座ですが、年間100万円までの上場株式等への新規投資について、譲渡所得及び配当所得が最長5年間非課税となる制度です。

このNISA口座は、税務当局や金融機関の制度管理の目的等のため、一つの金融機関に一口座しか開設できず、他の金融機関への移管もできない仕組みとなっていました。

これに対して、平成27年1月からは口座開設する金融機関の変更や口座の再開・再設定等の手続き面で簡便化が図られる予定です。

その他、個人所得税については、マンションの建替えの円滑化に関する法律改正に伴う税制改正や住宅ローン控除等の特別措置の拡充などがあります。

その他の税制改正

車体課税の見直し

その他の税制改正でポイントなる項目としては、車体課税の見直しです。そのうち、エコカー減税が拡充、延長される点は、車に乗られる方は気になるポイントでしょう。
これまでエコカー減税は、新車登録時だけ自動車重量税が免除されましたが、改正後は最初の継続検査の時の自動車重量税も免除されます。

さらに、一定の燃費基準を満たす車体に課税される自動車取得税も引き下げられます。なお、地球環境問題への対応から、環境性能に優れた自動車の早期普及を図るため、税制上のインセンティブも考慮されています。逆に、経年車へは重課が強化され、新車登録から13年経過した自家用車に係る自動車従量税の税率が引上げられます。
また、軽自動車税については、基本的には、従来までの税額の1.5倍に引上げられます。(自家用乗用車以外の車両は1.25倍)例えば、自家用の四輪自動車であれば、現行税額の7200円から10800円となります。車の買い替えも検討に値しますね。

印紙税の見直し

中小企業経営で身近な税金である印紙税について、平成26年4月から一部非課税範囲が変更となります。これは平成25年度の税制改正の内容ですが、念のため周知しておきます。現在、金銭又は有価証券の受取書については、記載された受取金額か3万円未満のものは、非課税とされています。
これが、平成26年4月1日以降に作成されるものについて、受取金額か5万円未満のものについて非課税となりますのでご注意下さい。印紙税は小売業をはじめ、様々な業種で係る税金ですので、詳しい情報を押さえておきましょう。

余談ですが、各税法の改正に合わせて税理士法も改正されることとなりました。これまで公認会計士は、税理士の資格を無条件で登録することができましたが、税理士法の改正により、一定の税法に関する研修を受講する規定が設けられています。これは平成29年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者について適用されます。

 

今後の税制改正

今後の税制の流れの中で大きなポイントの一つとしては、法人実効税率の引き下げであると考えられます。平成26年度の税制改正大綱においては、我が国経済の競争力の向上、法人実効税率を引き下げる環境作りの重要性、法人実効税率引き下げと企業行動の関係などを踏まえつつ検討を進めると明記されています。

 

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