平成27年3月期の決算ワンポイント

平成27年3月期の決算と税制

決算と税務のおさらい いよいよ平成27年3月の決算時期も近づいてきました。当記事では、平成27年3月期の決算で留意すべき事項を税制に重点をおいて一例をご紹介いたします。

 

税制サイドからみると、平成27年3月期の企業決算に大きな影響を与えるのは、平成26年度税制改正によるものが挙げられます。

この政策税制には、研究開発税制、生産性向上設備投資促進税制、ベンチャー投資促進税制、事業再編成税制などが挙げられます。いづれも、税制上の要件や取り扱いが複雑となっているものが多いため、留意が必要であると言えそうです。

 

平成26年税制改正への対応

平成26年度税制改正では、平成25年10月、12月と税制改正大綱が発表されるという特徴的な発表方法となりました。そして、平成27年度税制改正大綱では、平成27年度及び平成28年度以降の税制改正において、法人税実効税率を現行より引き下げる方向性が示されています。(こちらは企業会計上、繰延税金資産、繰延税金負債の金額に影響を与える可能性があります。)

 

このうち、生産性向上設備投資促進税制については、青色申告法人が、産業競争力強化法の施工日から平成29年3月31日までの間に、所定の設備等を取得して要件を満たした場合に、特別償却と税額控除の選択適用が認められます。

 

詳しくは、生産性向上設備投資促進税制の専門情報をご参照ください。また、この税制のB類型における公認会計士・税理士による確認業務については、サービス案内ページをご参照ください。

なお、法人が1事業年度において、租税特別措置法における定額控除制度のうち、複数の規定を適用する場合の税額控除可能額の取り扱いも改正が行われています。

 

消費税対策も重要

忘れてはならないのが、消費税への対応です。平成26年4月1日以後、消費税の新しい税率である8%が適用されることとなりました。

 

例えば、不動産賃貸について、平成26年4月の賃借料を平成26年3月に受領することとなる場合には、新しい税率である8%が適用されることに留意が必要です。その他、短期前払費用、経過措置の適用がある場合にも留意する必要もありますので、詳しい内容については税理士にお問い合わせください。

 

会計面からのアプローチ

会計面からも様々ありますが、なかでも退職給付に関する会計基準とその適用指針については、幅広く係る企業が多いと考えられるため、多くの方々に留意していただきたいと考えらえます。

 

今3月期の具体的な決算のポイントとしては、退職給付に関する会計基準等の強制適用となる改正内容となります。平成26年4月1日以後に開始る事業年度の期首においては、退職給付見込額の帰属方法、割引率及び予想昇給率の設定方法、複数事業主制度の取り扱い、過去勤務費用の特別損益への表示について強制適用されることになります。

 

なお、平成25年4月1日以後に開始る事業年度の期首においても上記以外の改正内容(未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務債務の会計処理等)が強制適用となっております。具体的には日本公認会計士協会等の公表物をご覧ください。

 

上記の他、決算、税制で留意すべき事項もございますので、決算のポイントを漏れなく押さえて適切な決算を行うことが望まれます。

 

税理士解説の関連リンク

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